令和元年度町政執行方針

令和元年度 厚沢部町町政執行方針(全文)

町長

 私にとって今年は、町政を担い4期、13年目にあたります。これまで、町民の皆様とともに歩む協働の精神を基本理念として、私に寄せられた期待と責任に応えるべく、町民の「融和」と「協調」を信条とし、「住みよい、活力ある、元気で輝く厚沢部町」の実現を目指し、永年の懸案事項の解決、さらには、将来に向けて希望の持てるまちづくりのため、全力で取り組んでまいりました。
 厚沢部町の特質した住民サービスの主眼事業として、町内中学校の統合や学校給食センターの新設、認定こども園の設置、医療費・保育料・給食費を支援する子育て3本柱、都市住民との交流事業や移住体験事業、関西圏での厚沢部PR事業、さらには素敵な過疎のまちづくり条例の制定や「素敵な過疎づくり株式会社」の設立など、全国でもユニークな施策の展開に対し、議員各位をはじめ、町民の皆様のご理解とご協力、ご支援を賜り、心からお礼を申し上げます。
 これからも、協働という基本理念のもと、一層のテンポアップを図りながら、厚沢部町の発展と住民福祉の向上に努め、町民の皆様の期待と信頼に応えていく意を強くしているところであります。
 さて、厚沢部町は、農林業を主産業としており、厳しい自然環境の中で、北国独自の生活様式を育み、先人が切り拓いてきた国土と自然を守り、食料や資源の供給をはじめ、水源の涵養など、国民の生命を支える極めて重要な役割を果たしてきました。
 「令和」という新たな時代においても、先人から受け継いできた財産を次の世代につないでいく使命を果たさなければなりません。
 しかし、近年、地球温暖化など気候変動に伴う集中豪雨や台風等による災害が頻発するなかで、町を取り巻く環境は、少子高齢化のさらなる進行に加えて、生産年齢人口の減少・流出に歯止めがかからず、都市と町村との格差が一層広がり、全国の農山漁村地域においては、維持・存続が困難となる集落が生じるなど、大きな危機に直面しています。
 私たちは、このような状況を打破するため、気候風土や賦存する資源など、町が有する地域特性を最大限に活用するとともに、地域間の連携を深め、住民一人一人が豊かさとゆとりを実感し、若者が将来に夢や希望を持つことができる、魅力あるまちづくりに全力を尽くす覚悟であります。
 一方、国内では、激動する国際情勢に対応するかのように、世論を二分した消費税法が10月から施行される見通しであり、今後の動静に目が離せない状況となっております。
 我が国全体が人口減少社会に突入し、この最重要課題に、国・地方をあげて長期にわたり、真正面から取り組んでいかなければなりません。

 安倍内閣では、地方創生を内政の重要課題に掲げ、政府一体となって取り組むこととしており、人生100年時代に向け、本年度より子どもから現役世代、お年寄りまですべての世代が、安心できる社会保障制度の改革を進めると明言しております。
 また、まち・ひと・しごと創生担当大臣の片山さつき氏は、第1期総合戦略の最終年度という節目にあたり、国としては、意欲的に地方創生にチャレンジする地方を引き続き、情報支援、人材支援、財政支援の地方創生版3本の矢で、積極的に支援すると話しております。
 この機を捉え、各地方自治体が、満を持して第2期総合戦略へとステップアップするための争奪戦が始まることから、強い意識を持って取り組むことを考えております。
 いずれにいたしましても、今後の行政運営は、国・道の動向を注視しながら、積極的に支援策等を十分活用して、財政の円滑な運営を進めて参ります。
 多くの先人達が、厳しい風雪に耐えながら、不断の努力でたくましく築いてきた「ふるさと厚沢部町」を、次の時代に健全なかたちで引き継いでいくために、職員一同と汗を流して参りますので、皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、政策の展開について申し上げます。

農業・林産業について

農業について

  はじめに、基幹産業である農業・林産業の振興について申し上げます。

 厚沢部町の発展を支えるのは、農業・林産業であり、これまでも積極的に各種施策を展開し、投資に努めて参りました。
 農業についてでありますが、昨年のJA新函館厚沢部支店の販売額は、29億3千万円との報告を受けております。
 春先からの断続的な降雨で、作付計画が大幅に変更になった圃場も見られ、計画を4億円ほど下回りましたが、みなみ北海道農業共済組合からの支払共済金がおよそ3億5千万円、経営所得安定対策などによる国の直接助成もあり、個人格差はあったというものの、おおむね持続可能な農家収入が確保されたものと思っております。
 特に、セーフティネットとして町の施策であります農業共済事業や野菜価格安定基金が有効に機能した年であったと思っております。
 また、高収益野菜である立茎アスパラは、北海道の地域づくり総合交付金を活用して、平成16年度から28年度にかけて町内農家に導入しております。46戸が137棟のハウス施設を整備し、これまで4億6千200万円の事業費を投入して産地化を図った結果、昨年の異常な年であっても、生産額が1億7千万円を突破し、今後も生産振興が図られるものと期待しております。
 今年は、例年になく春先から好天に恵まれ、農作業も順調に進んでおります。若干雨が不足気味と懸念しておりますが、出来秋の収穫に期待しているところであります。
 しかし、農業を取り巻く環境をみると、外的にはTPP11協定の発効や日米貿易交渉の閣僚会議が始まるなど、グローバル化の波が否応なしに押し寄せ、内的には後継者不足、高齢化の進展など、益々厳しさを増しております。
 厚沢部農業を再興し、力強い農業の展開を図るためには、今年度策定を予定している「農に生きるパート7」の目指す方向に向かって、着実に前進するのはもちろんのこと、真に実効性のある施策展開が必要と考えております。
 基盤となる農地は、農作物の生産性に直結することから、道営農地中間管理機構関連農地整備事業等を導入し、生産基盤として明渠排水及び暗渠排水の総受益面積160ha余りを計画し、農家負担を極力抑えた整備に取り組むほか、町単独で進める小規模土地基盤整備事業と合わせて、積極的に排水対策に取り組んで参ります。
 また、新規就農者や後継者の育成、新たな経営体の模索、農地の集約化と有効利用を促進します。
 さらに、拡大が懸念される鳥獣被害については、電気牧柵の利用を促進するほか、鳥獣被害対策実施隊の充実を図ることで、巡視体制の強化に努めます。
 このほか、新しい収入保険制度を含めた農業生産安定化特別対策事業費補助、野菜生産振興事業費補助、地力増進対策事業費補助、農道整備事業費補助、振興作物の苗代補助などを継続支援し、農業経営の安定化を図って参ります。

 林業・林産業について

 次に、林業、林産業についてであります。
 豊かな自然環境の中にあって、町面積の約8割を占める森林は、地球温暖化防止対策の推進をはじめ、安全な国土の形成、水源かん養、保健休養などの多面的機能を有しているほか、産業として貴重な資源であります。
 町有林管理については、搬出間伐、除伐、枝打ち、下刈りなどの適切な撫育管理や森林基盤整備等を推進し、森林機能の持続的発揮に努めます。
 民有林については、集約化を進めた中で、「未来につなぐ森づくり推進事業」や除間伐、枝打ち、下刈り事業に支援し、地域林業の振興を図って参ります。
 また、林産業については、林産協同組合の活動を支援するほか、地域材の積極的なPRに取り組み、公共施設などへの地場産材の利用増進を図り、林業者はもとより林産業の経営安定に努めてまいります
 さらに、平成31年度の税制改正で、森林環境税が令和6年から実施することが決定され、「新たな森林管理システム」を構築するために、前倒しで森林環境譲与税が導入されます
 森林環境譲与税は、今年度から交付され、これを基金化して、所有者の意向確認を中心としたソフト事業を行い、次年度以降につながる森林整備の促進や木材利用の拡大を図ります。

商工業・観光について

商工業について

 商工業につきましては、小規模商店が多く、地元購買力は著しく低下しており、函館市や北斗市、さらには江差町等への町外流出が大きい中で、小売店全般が低迷しており、消費を取り戻す方策を見出せずにいるのが現状であります。
 しかし、地域に密着した商業は、日常生活の利便性や地域の活性化に欠くことの出来ないものであり、少子高齢化による人口減少の進行は小売業の衰退につながり、近年、都市部でも話題になる買物弱者が生まれることが危惧されることから、商工団体の育成と中小企業の経営安定を継続支援するとともに、商工会と連携し、活性化への振興策を検討して参ります。
 また、優良企業の誘致を積極的に推進し、地域産業おこしを図るとともに、雇用の創出に努めて参ります。

観光について

 観光については、オートキャンプ場「ハチャムの森」、「レクの森」や「道の駅」、「うずら温泉」を中核施設として、観光入込数の増大に努めます。
 特に、利用度が年々増している「道の駅」については、利便性と効率性等に配慮した施設全体の拡幅整備を図るなど、集客効果を高めて参ります。
 また、教育観光の誘致や「ちょっと暮らし」事業の継続的な展開で、交流人口・関係人口の拡大を図るほか、現在の関西圏や北海道でのラジオ番組放送の充実により、素敵な過疎のまち厚沢部町の応援団員獲得拡大に努めます。
 さらに、観光協会運営費や各種イベントへの助成などを継続的に支援して参ります。

社会福祉

社会福祉について

 本町の高齢化は確実に進行し、総人口に占める65歳以上の高齢化率は40%を超え、増加の一途をたどっております。
 このため、ひとり暮らしの老人世帯や老人夫婦世帯も増え、加えて、介護を必要とする高齢者も年々増加しております。
 まさに、高齢者が高齢者を介護する老老介護の状況に突入しており、地域社会での絆、支え合い、助け合いの精神があふれる福祉・介護体制の整備が肝要であるほか、在宅での暮らしを支える医療との連携についても、検討を進める必要があると認識しております。
 第7期の高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画では「安心、健康、快適、生きがいのある生活」を基本的な目標に掲げております。
 特別養護老人ホームなど、施設サービスは一定の水準に達していることから、第7期は、居住系サービスの拡大を目指しています。
 日常生活の支援においては、健康寿命の延伸や、住み慣れた地域で暮らす可能性を高めるため、給食など13項目に及ぶ町単独サービスを継続して提供して参ります。
 また、介護予防対策の充実や地域内での支え合い体制の確立などで地域包括ケアシステムを深化させ、高齢者の負担を極力抑えながら、安心して暮らしていける町づくりを目指して参ります。
 子育て支援につきましては、国の包括的な子育て支援改革で幼稚園と保育所機能が一体化した「認定こども園」を開設し、職員体制の強化を図りながら、一時預かり保育や発達支援、健康相談の充実、公営塾の開設など総合的に子育て世代をサポートして参ります。
 福祉・保健衛生の主なる施策は、敬老福祉年金支給事業、高齢者生活支援事業、敬老会助成、高齢者事業団育成事業、児童生徒医療費助成、こども園負担金助成、学校給食費助成、放課後児童特別対策事業、不妊治療助成、母子保健事業助成、高齢者インフルエンザ予防接種助成、各種がん検診などであります。

医療体制

 国民健康保険病院は、医師及び医療技術員の体制整備や財政健全化に向けた経営改善など、病院経営を巡る環境が厳しい状況にありますが、地域医療の確保や救急医療を担う町立病院として、極めて重要な使命を果たしております。
 当病院の施設規模での標準医師数は3名でありますが、全国的に病院勤務医の過酷な労働環境や公立病院の赤字経営が社会問題化しております。
 町民にとって地域医療の確保は、命を守り暮らしに安心感を与えてくれます。
 今後も医療体制の充実、良質な医療の提供、経営の改善に努め、町民の期待に応えられる町立病院を目指していく所存であります。

生活環境

 道路、水道、環境衛生、防災など各分野にわたって安全で安心・住みよい厚沢部町を築き、次の世代に継承していくことは、今を生きる私たちの責務であります。
 自然豊かな厚沢部町は、これまで様々な社会基盤整備を実施し、日常生活の安全性と利便性、快適性を高めてきたところですが、時代の変化に対応し、今後とも各分野での継続的な整備が不可欠と考えております

生活交通対策について

 地域住民の日常生活に必要不可欠な公共交通路線である国道227号は、北海道新幹線新函館北斗駅に接続する幹線国道に位置付けられており、高速交通体系の骨格を形成する上で、大きな役割を担う重要な路線であります。
 また、高度な医療を函館圏に依存する南檜山地域にあっては、いわば「命の道」でもあります。
 これまでも、狭小トンネルの解消について、国へ要望して参り、工事着手されましたが、一日も早い早期完成に向けた要請活動を強力に進めて参ります。
 一方、道道では、乙部厚沢部線新町地内や城丘江差線松園地内の改良が終わり、危険箇所が解消されました。
 他路線の未整備箇所につきましても早期整備を要請して参ります。
 町道では、適正な維持管理及び冬期間における除排雪体制の整備を図り、運行に支障が生じることのないよう、住民の交通と安全を確保して参ります。
 また、策定済の橋梁の長寿命化修繕計画に基づき、工事を実施して参ります。

河川について

 河川関係では、厚沢部川の改修工事は順調に進み、町河川においても、管理に万全を期し、災害に強いまちづくりを目指して参ります。

生活排水について

 生活排水については、集合型処理施設の整備を終えた4地区での加入促進に努めるとともに、個別処理区域では、合併処理浄化槽の設置助成を新年度は10基計画し、生活環境の改善を図ることとしております。

教育・文化

 教育・文化活動の振興を図り、快適で活気ある「心豊かな人を育むまちづくり」を目指すことが、町政執行上での重要な課題であり、私は「まちづくりの究極は、人づくりにある」と思っております。
 少子化が進行する中で、これからの日本を支えていく「たくましい人材」を育成するためには、人間形成の基礎を培う学校教育の果たす役割は極めて大切です。
 子どもたちが、安全でより良い教育環境の中で学び育つために、学校施設や教育振興備品の整備を進めるとともに、学力の向上や健全な心と体を育成する教育施策の充実を図って参ります。
 社会教育では、少子高齢化や高度情報化、経済のグローバル化など社会生活の変化に伴い、それぞれのライフスタイルや価値観が多様化しており、生涯を通じて、教育・文化・スポーツ活動などの様々な機会の提供が求められております。
 このような高度で多様化するニーズに対応していくには、各種の情報提供を通じて、地域の自主的な活動を支援・促進することが重要であることから、町内関係団体とも協議を重ね、連携しながら社会教育環境の整備と施策の充実を図って参ります。
 教育行政の詳細につきましては、教育長から方針が示されますが、教育委員会とともに学校や社会での教育活動が望ましい環境の中で展開されるよう、計画的かつ積極的に教育文化活動の充実に努めて参ります。

行財政運営

  厚沢部町は先人から、「入るを量りて、出ずるを為す」の精神で、健全財政を築いて参りましたが、歳入のほぼ半分を国からの地方交付税に頼っており、国の厳しい財政事情から地方交付税の今後の動向が懸念されます。
 また、地域主権改革という大きな流れの中で、市町村の権限が拡大する一方、当然その責任も高まって参ります。
 厚沢部町が自主・自立し、より効率的で公平な住民サービスを提供するため、職員の意識改革、政策形成能力の向上を図りながら、行財政の不断の見直しを進めて参ります。

このページに関するお問い合わせ
厚沢部町役場 総務政策課政策振興係
電話:0139-64-3311(内線55) FAX:0139-67-2815
プリンタ用画面

カテゴリートップ
厚沢部町長 渋田正己(しぶたまさみ)の部屋
次
渋田正己町長より「年頭のご挨拶」



行政情報open

  • 町長の部屋
  • 厚沢部町議会

ピックアップコンテンツopen