令和4年度町政執行方針

令和4年度 厚沢部町町政執行方針(全文)

町長 令和4年度は、私が町政を担い4期目の総仕上げの年となります。町政を進める上での私の基本理念は、町民の皆様と一緒に歩む協働の精神と、公平・公正な行政運営であります。
 厚沢部町の発展のため、子育てや高齢者に対する支援や、基幹産業である農業の担い手対策、移住交流事業など様々な課題に対し、真摯に真正面から向き合い未来に向け希望の持てる、持続可能な「素敵な過疎のまちづくり」に取り組んできました。
 しかし、近年の当町を取り巻く社会情勢は、少子高齢化の急速な進行や人口減少をはじめ医療や福祉サービスの確保、グローバル化の進展など大きな課題に直面しております。また、国の財政状況の悪化に伴い町の行財政運営もこれまで以上に厳しさを増すことが予想されます。
 昨年度、今後、10年間の町づくりの指針となる第6次総合計画が策定されました。現在の向かい合う課題解決のため「町民が主役となって進める素敵な過疎のまちづくり」をテーマに、子育て支援や高齢者福祉の充実、基幹産業である農業の振興、コロナ対策等各般にわたる施策を大胆かつ確実に実行していきたと考えております。
 また、感染確認から2年以上が経過している新型コロナウイルスは、変異と感染拡大を繰り返し、国内はもとより、道内にも多くの感染者が出て、日常生活や経済活動に大きな影響を与えました。厚沢部町内でも、イベントがほとんど中止となり、特に飲食業や観光業が大きなダメージを受けたところです。現在3回目のワクチン接種が進むとともに、飲む治療薬の普及が図られておりますが、1日も早く感染が収束し、令和4年度は、これまでの日常が取り戻せる年となってほしいと願うところであります。

 厳しさと複雑さを増す社会情勢の中にあって、日本も変革の時にあります。2020年の国勢調査の結果が昨年11月に公表されましたが、「過疎地域」に指定される自治体が制度開始以降初めて全国の5割を超えることとなりました。
 国では「東京一極集中の是正」を掲げて、「まち、ひと、しごと創生総合戦略」を策定し、2020年に東京圏の転出入を均衡させることを目指しましたが、実際には転入超過が続き地方の衰退に歯止めがかかっていない状況が続いております。
 国が返済の7割を負担して自治体を支援する過疎債の費用が10年前と比べ約2倍に増加し、今後も人口減少や都市部への集中が続けば、さらなる増額が避けられず、支援の見直しにつながらないか憂慮しているところでございます。
 また、第32次地方制度調査会では、人口減少が深刻化し高齢者人口がピークを迎える、2040年頃に顕在化する課題として、大都市でも人口減少が急激に進行するとしております。高度経済成長期の人口増加期に集中整備されたインフラが老朽化し、更新需要が高まるなか、負担を分かち合う住民が減少していくことで、維持管理にも支障をきたすことが予想されます。町としても今後、何が必要なのかを再検討し今後のインフラ整備を実施していくことが重要であります。

 昨年発足した、岸田内閣は1月の国会冒頭の所信表明演説で、新型コロナウイルス対策を最優先課題とし、ワクチンの3回目接種を前倒しで進めることや治療薬の普及など今後の対応に万全を期すこと、さらに、コロナ後の経済回復や危機に対する財政出動は躊躇なく行うことを表明しました。
 国の令和4年度予算では、政策の柱に成長と分配の好循環による「新しい資本主義の実現」を第一に掲げ、「賃金の引き上げ」や「デジタル田園都市構想の実現」、「農林水産物の輸出5兆円実現」等、新しい時代への投資や、新型コロナで疲弊した経済を再生させるための総額で107.6兆円の予算が国会で審議されているところであります。
 また、地方財政計画においては、本町歳入の半分を占める地方交付税が出口ベースで前年対比3.5%の増となっておりますが、水道設備等のライフラインの更新や大型事業実施に伴う起債の償還、施設管理費等の経常経費の増加等、町の財政は大変厳しい状況が予測されます。
 今後とも行財政運営については、国・北海道の動向を注視しながら、積極的に支援策等を十分活用して、効率的で公平な行政サービスの提供や、財政の円滑な運営を進めて参ります。

 多くの先人達が、厳しい風雪に耐えながら、不断の努力でたくましく築いてきた「ふるさと厚沢部町」を、次の時代に健全なかたちで引き継いでいくために、職員一同と汗を流して参りますので、議員並びに町民皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 次に、政策の展開について申し上げます。

農業・林産業について

農業について

 はじめに、基幹産業である農業・林産業の振興について申し上げます。
 厚沢部町の発展を支えるのは、農業・林産業でありこれまでも積極的に各種施策を展開し、振興に努めて参りました。
 昨年のJA新函館厚沢部基幹支店の販売額は、38億9千万円との報告を受けております。夏季の晴天が続いたことによる干ばつの影響が心配されましたが、販売計画を7千万円ほど上回りました。
 特に麦や豆類の生育が順調だったほか、種子馬鈴薯も計画を上回りましたが、アスパラやトマトなどの野菜類が計画を下回る結果となったところです。今年は天候に恵まれ農作業が順調に進み、豊穣の秋を迎えられることを期待しているところであります。
 農業を取り巻く環境をみますと、人口減少やコロナ禍の影響を受けた外食産業の低迷等から、主食用米の消費減少が続くなか、作付け面積の縮小やまた、過度な飼料用米への偏重なども懸念され、需給に応じた作付転換に取り組まなければならない状況が予測されます。
 さらに昭和45年以降、約半世紀以上続いた、いわゆる転作制度の見直しが発表されました。今後5年間一度も水張りが行われない農地は交付金の対象からはずれ、多年生作物である牧草については、単価が大幅に下げられるなど、大変、大きなマイナスの影響をうけることとなります。これまで、国の生産調整に積極的に取り組んできた結果、本町の水田転作率は70%を超え、米の需要が減少している状況のなか、農業経営を持続できるかどうかの根幹にかかわる問題であり、農協や農業団体とともに国と関係機関に、この支払交付金に代わる制度を早期に創設するよう強く要望していくところであります。
 厚沢部町農業の力強い農業経営の展開を図っていくためには、令和元年度に策定された「農に生きるパート7」の目指す方向に向かって、着実に前進し、真に実効性のある施策展開を考えております。
 担い手対策については、農業振興の根幹を成す重要課題であります。担い手育成条例に基づく新規就農者や後継者対策を講ずるとともに、農業の研修実践を強化するなど、支援に努めてまいります。
 近年の地球温暖化に伴う気象変動で発生する高温や集中豪雨などのリスクを軽減するためには、基本技術の励行に加え、明・暗渠排水の整備や堆肥投入などの基盤整備が重要であると認識しているところであります。これまで暗渠排水などの透排水性の改善を進めて参りましたが、引き続き、道営農地整備事業、農地中間管理機構関連事業及び農地耕作条件改善事業、町単独の小規模土地基盤整備事業の実施により、優良農地の確保に努めてまいります。
 クマやエゾシカなどの鳥獣被害対策については、電気牧柵購入費への助成のほか、町が所有する電気牧柵の利用促進を図るほか、高齢化で減少が進むハンターの確保対策として狩猟免許取得・更新に対する支援を行います。また、「自らの農地は自ら守る」という自己防衛意識の高揚も必要と考えているところです。
 補助事業としては中山間地域等直接支払交付金、多面的機能支払交付金等の補助を継続して実施するとともに、町単独事業として農業共済掛金の助成である、農業生産安定化特別対策事業費補助、地力増進対策事業費補助、農道整備事業費補助などを継続し、農業経営の安定化を図ってまいります。
 また、農業者の声を聴きつつ、農作業の省力化、収益性向上を図るため、GPSガイダンスなどのスマート農業を推進し、支援を実施していきます。

 林業・林産業について

  次に、林業、林産業についてであります。
 豊かな自然環境の中にあって、町の約8割の面積占める森林は、地球温暖化防止対策の推進をはじめ、安全な国土の形成、水源かん養、保健休養などの多面的機能を有しているほか、産業として貴重な資源であります。
 町有林管理については、搬出間伐、除伐、枝打ち、下刈りなどの適切な撫育管理や森林基盤整備等を推進し、森林機能の持続的発揮に努めます。
 民有林については、循環利用や集約化を進めた中で「豊かな森づくり推進事業」や除間伐、枝打ち、下刈り事業に支援し、地域林業の振興を図ってまいります。
 また、林産業については、林産協同組合の活動を支援するほか、地域材の積極的なPRに取り組み、地場産材の利活用の促進や、林業者はもとより林産業の安定経営に努めてまいります。
 さらに森林環境譲与税基金事業として、所有山林に係る意向調査を実施、民有林の下刈りや除間伐事業に助成し、森林としての機能を維持できるよう支援を行います。

商工業・観光について

商工業について

 次に、商工業・観光について申し上げます。
 商工業については、人口減少や郊外型大型店舗の進出による近隣市町への流出が地元消費減退を招いており、また、高齢化の進行とともに買物弱者の増大が懸念されているところです。さらには、一昨年から続く新型コロナウイルスは、飲食業や観光業にも大きな影響を及ぼし、感染収束が見通せない状況の中、有効な対策も見出せないのが現状であります。
 このような実情から、引き続き商工団体の育成と中小企業の経営安定を継続支援するとともに、商工会と連携し、活性化への振興策を検討してまいります。
 また、企業誘致を積極的に推進し、地域産業の振興を図るとともに、雇用の創出に努めてまいります。

観光について

 観光については、オートキャンプ場「ハチャムの森」、「レクの森」や「うずら温泉」、そして「重点道の駅」の利用度が年々増加しており、特に道の駅は「国の重点道の駅」として指定を受け、檜山の玄関口に位置し、町の情報発信の拠点としての役割は重要で、集客を一層高めてまいります。
 これまでトイレと駐車場の整備を終え、令和4年度には商業施設と歴史文化情報発信施設が完成し、既存の物産館を含め、多くの人が集い体験交流ができるリニューアルした道の駅が今年の夏スタートします。
 また、教育観光や「ちょっと暮らし」事業の継続的な展開で、交流人口・関係人口の拡大を図るほか、素敵な過疎のまち委託事業により、厚沢部町の応援団員獲得拡大に努めてまいります。観光協会の育成や各種イベントへの助成なども継続的に支援してまいります。
 さらには、今年度、新たに保育園留学に本格的に取り組んでいきます。町内で移住体験を希望する子育て世帯が認定こども園を一時利用し、保護者は、ちょっと暮らし住宅でテレワーク勤務するという形式で、今後は子育て世代の交流人口の増加が期待されます。

社会福祉

社会福祉について

 次に、社会福祉と保健衛生について申し上げます。
 日本全体が急速に高齢化が進むなかで、本町においても過疎化と少子高齢化は進行し、総人口に占める65歳以上の高齢化率は40%を超え、増加の一途をたどっております。
 このような状況の中、本町でも、ひとり暮らしの老人世帯や老人夫婦世帯が増え、介護を必要とする高齢者や老老介護が年々増加しております。
 そのため、在宅福祉に重点を置き、福祉委員による地域福祉活動の充実、社会福祉協議会の運営を支援するなど、自助、共助、公助のバランスを図りながら、13項目に及ぶ町単独の高齢者生活支援事業を継続し、住み慣れた地域での「安心な暮らし」を支えてまいります。
 現在、第8期となる厚沢部町高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画では、いわゆる「団塊の世代」の方々が75歳以上となる2025年を見据えて、限りある社会資源を効率的に活用しながら、地域の助け合いの心を共有し高齢者が安心してくらせる地域づくりをめざします。
 子育て支援につきましては、他町に先駆けた保育料助成、学校給食費助成など、各種施策を実施してまいりましたが、今後も地域の実情に応じた保育機能や総合的支援を実施しております。
 保健衛生については、日本人に多い胃がんや胃潰瘍の大きな原因といわれるピロリ菌検査など各種検診を実施するとともに、食生活の改善や運動の習慣化などで、町民の健康増進を図ってまいります。
 そのほか、社会福祉・保健衛生の主なる施策は、敬老会助成、生活支援寮運営、高齢者事業団育成助成、放課後児童対策事業、不妊治療助成、母子保健事業助成、高齢者インフルエンザ予防接種助成、各種がん検診などであります。

医療体制

 次に、医療体制の充実について申し上げます。
 国民健康保険病院は、命を守り暮らしに安心感を与える地域医療の確保や救急医療の拠点として、町民からの期待も大きく、極めて重要な役割を担っておりますが、その経営環境は益々厳しい状況にあり、地域連携法人「南檜山メディカルネットワーク」と連携を密にして、地域医療の安定提供体制を図ってまいります。
 過疎地では、医師及び医療技術員の不足が深刻化しておりますが、これからも良質な医療の提供、経営の改善などに一層努め、町民の期待に応えられる町立病院を目指してまいります。
 また、函館市との定住自立圏協定の主目的であったドクターヘリの運航、脳疾患患者の搬送経費も継続して支援し、広域的な緊急医療体制の充実に努めます。

生活環境

 次に、生活環境の整備充実について申し上げます。
 道路、水道、環境衛生、防災など各分野にわたって安全で安心・住みよい厚沢部町を築き、次の世代に継承していくことは、今を生きる私たちの責務であります。
 自然豊かな厚沢部町は、これまで様々な社会基盤整備対策を実施し、日常生活の安全性と利便性、快適性を高めてきたところですが、時代の変化に対応し、今後とも各分野での継続的な対策が不可欠と考えております。

生活交通対策について

 まず、生活交通対策であります。
 地域住民の日常生活に必要不可欠な公共交通路線である国道227号は、檜山管内の重要路線で北海道新幹線新函館北斗駅に接続する幹線国道に位置付けられており、高速交通体系の骨格を形成する上で、大きな役割を担う路線であります。
 また、高度な医療を函館圏に依存する南檜山地域にあっては、いわば「命の道」でもあります。
 狭小トンネルの解消について、これまで国へ要望し、今年度より本格的に掘削工事が着手され、早期の完成を目指します。
 また、乙部厚沢部線江差町界付近の道路低地解消は来年度、事業が完了し、同じく赤沼地内歩道整備につきましても、早期整備を要請したところ、用地調査が進められました。
 町道では、適正な維持管理及び冬期間における除排雪体制の整備を図り、通行に支障が生じることのないよう、住民の交通と安全を確保してまいります。
 また、橋梁については、長寿命化修繕計画に基づき、順次工事を実施してまいります。

河川について

 河川関係では、厚沢部川、安野呂川の改修工事は順調に進んでおりますが、町河川においても、管理に万全を期し、災害に強いまちづくりを目指してまいります。

生活排水について

 生活排水については、集合型処理施設の整備を終えた4地区での加入促進に努めるとともに、個別処理区域では、合併処理浄化槽の設置助成を新年度は5基計画し、生活環境の改善を図ることとしております。

防災について

 防災については、ハザードマップの改定やコロナ対策を見据え防災計画の改定を行うとともに、引き続き、備蓄計画に基づき、食糧をはじめ、避難所等の備品整備を進めます。
 災害時には「素早い情報収集、冷静な判断、的確な行動」が重要であります。町民の自助、共助、公助によって被害が最小限にとどまるよう、常日頃から危機感をもって防災、減災対策に努めてまいります。

教育・文化

 次に、教育・文化の振興について申し上げます。
 教育・文化活動の振興を図り、快適で活気ある「心豊かな人を育むまちづくり」を目指すことが、町政執行上での重要な課題であり、私は「まちづくりの究極は、人づくりにある」と思っております。少子化が進行する中で、これからの日本を支えていく「たくましい人材」を育成するためには、人間形成の基礎を培う学校教育の果たす役割は極めて大切です。
 子どもたちが、安全でより良い教育環境の中で学び育つために、学校施設や教育振興備品の整備を進めるとともに、学力の向上や健全な心と体を育成する教育施策の充実を図って参ります。
 社会教育では、少子高齢化や高度情報化、経済のグローバル化など社会生活の変化に伴い、それぞれのライフスタイルや価値観が多様化しており、生涯を通じて、教育・文化・スポーツ活動などの様々な機会の提供が求められております。
 このような高度で多様化するニーズに対応していくには、各種の情報提供を通じて、地域の自主的な活動を支援・促進することが重要であることから、町内関係団体とも協議を重ね、連携しながら社会教育環境の整備と施策の充実を図って参ります。
 教育行政の詳細につきましては、教育長から方針が示されますが、教育委員会とともに学校や社会での教育活動が望ましい環境の中で展開されるよう、計画的かつ積極的に教育文化活動の充実に努めてまいります。

このページに関するお問い合わせ
厚沢部町役場 総務財政課総務係
電話:0139-64-3311 FAX:0139-67-2815
プリンタ用画面

カテゴリートップ
厚沢部町長 渋田正己(しぶたまさみ)の部屋
次
渋田正己町長より「年頭のご挨拶」



行政情報open

  • 町長の部屋
  • 厚沢部町議会

ピックアップコンテンツopen