レクの森ブログ

未分類 2017年4月12日
平成28年度教育林講座を開催しました

 3月18日(土)、平成28年度土橋自然観察教育林 教育林講座「檜山のヒバ その価値再発見 ―ヒバ天然林の遺伝変異―」を開催しました。

 講師には、国立研究開発法人森林総合研究所 林木育種センター東北育種場より、那須仁弥先生をお迎えし、遺伝育種の視点から全国各地のヒバと檜山のヒバの相違点や、その相違点が発生した歴史的な背景、そして今後の檜山のヒバ林業に関するお話をしていただきました。

DSC06323.JPG

 那須先生の研究によると、檜山を含む北方のヒバは「遺伝的多様性」が大きく、南の地域に行くにつれて低下する傾向があるということでした。

 この「遺伝的多様性」とは、ある一つの種内の遺伝子の多様性を表します。「遺伝的多様性」が大きいほど、同じ種内に様々な性質の個体が存在する事になります。
 そして、「遺伝的多様性」が大きいほど、環境が大きく変わったりした時、それに適応できる個体(遺伝子)が存在する可能性も大きくなります。
 逆に「遺伝的多様性」が小さいと、環境の変化に適応できる個体(遺伝子)が存在する可能性も小さくなるため、種が絶滅してしまう危険もあります。

 更に、この「遺伝的多様性」の相違から、檜山を含む一部の北方のヒバの集団は他の地域のヒバとは異なっており、ヒバの祖先集団の一部であるという可能性も示唆しておられました。
 つまり、檜山のヒバは氷河期を乗り越え、待避地をつくって生き残った集団だという可能性もあるのです。
 ヒバが、今のような大木の姿ではなく、ハイマツのようなロゼッタ状の姿で厳しい極寒の環境を生き残ったかもしれないとは非常に興味深いお話でした。

 以上から「檜山のヒバは遺伝的多様性の面から見ると、南方の地域よりもその多様性が大きく、そして、氷河期を生き残った祖先集団の一部である可能性がある」という事がわかりました。
 これは「北限のヒバ」としてだけでなく、ヒバ全体からみた檜山のヒバの新たな価値とも言えるのではないでしょうか。
 また、この檜山のヒバの「遺伝的多様性」を維持するために、現在はヒバの苗を青森から導入して造林している場合が多いので、檜山産の種子で苗木を生産してはどうかというご助言もいただきました。

 「遺伝的多様性」という考え方は目で見てすぐにはわかりにくいものではありますが、檜山のヒバの遺伝資源としての価値と重要性をしっかりと理解し、維持していかなければならないと思います。

IMG_1589.JPG

 こういったヒバの遺伝変異に関する研究や、檜山産のヒバ苗の生産試験は現在も引き続き行われているという事なので、その続報が待たれますね。

 教育林では、今後もヒバに関する講座を継続的に、開催し様々な側面からヒバを見つめ直していきたいと考えております。

閲覧(3653)


カレンダー
«前の月次の月»
1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30
新着日記
月表示

観光・文化・自然open

  • 町長の部屋
  • 厚沢部町議会

ピックアップコンテンツopen