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鹿子舞の役割と道具立て
鹿子
「雄鹿子」、「雌鹿子」、「しらさぎ」の3頭で構成されます。
「しらさぎ」は年老いた雄鹿子といわれています。
(雄鹿子)
下衣、袖なしの上衣、手甲を着用し、幕と一体になった鹿子頭をかぶります。
幕の袖の中に、長さ約15cmの棒を入れる場合もあります。
3頭の鹿子の作り分けは、角の長さや面の配色で区別する場合が多く、雌鹿子の角は短めに作られ、赤系統の配色が好まれるようです。
しらさぎは白系統の配色となることもありますが、土橋などでは赤系統の配色となっており、名称と実際の配色とが一致するわけではないようです。
(鹿子頭正面)
面のベースは杉板などの軽い材質が用いられます。
ベースの上から、色紙などで飾り付けします。
かつては、毎年8月頃に化粧直しが行われていたそうです。
(鹿子頭側面)
五勝手鹿子舞などにくらべると、非常に短い角です。
たて髪は馬毛が使われていたが、近年では麻などで代用することもあります。
厚沢部川流域の鹿子舞は、激しい「雌鹿子争い」が特徴ですが、鹿子頭も激しい格闘に耐えられる頑丈な構造となっています。
ヤンコホメ
(ヤンコホメ)
歌のよみ手で、単に「ヤンコ」ともいいます。
また、歌そのものも「ヤンコホメ」といいます。
紋付袴などの正装が望ましいと考えられているようです。
定まった文句のほかに、上げられた供物やご祝儀にあわせて即興で言葉を読むこともあります。
ヤンコの即興を期待して、変わったご祝儀を上げることもあるようです。
笛
六調子七穴の篠笛が使われます。
多くの場合、一穴をふさいで使用します。
呂音と甲音が使用されます。
2~6名程度が配置されます。
太鼓
締太鼓が用いられます。
1台の太鼓を前後2名で叩きます。
その他の役回り
- ササラ
- 警護棒持ち
- 灯籠持ち
- オカシコ