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平成23年の発掘調査(9月の調査)
平成23年9月30日 雨の日のお仕事
本日はあいにくの雨。
お天気が続いたので、たまの雨天もよいものです。
笹の根と固い地面で傷んだ道具のお手入れをします。
スコップの柄の目釘を打ち直しているところです。
プレハブの中ではたまっていた出土遺物の水洗を行いました。
平成23年9月29日 レースクイーン?
天気がよいのは発掘調査にとってありがたいのですけれど、写真撮影には薄曇りが一番ありがたいのです。
晴れた日に細いトレンチの撮影をすると、どうしても影が入って、肝心の土層断面が明暗に分断されてしまいます。
そんな時にはストロボを使って「日中シンクロ」という方法で影を抑えたりするのですが、手持ちのストロボがどうしても調子が悪かったので、今回はレフ板を登場させました。
レフ板は、ストロボと違ってどこに光が当たっているか目で見て確認できるので、原始的なやり方ですが、失敗は少ないのです。
ただ、現場で使うレフ板は、1m四方の大きなものなので、ちょっと風が吹いてもかなり強い力がかかります。
持っている方は大変です。
平成23年9月27日 笹とヨシの根が・・・
今週から着手した1-3調査区は、久しく耕作が行われていなかったため、笹やヨシが繁茂して、恐ろしく掘りにくくなっていました。
おまけに、表土が削平されていて、固く粘りのある粘土層がスコップやジョレンの刃先にくいついてきます。
それでも、1回目の表土掘削は、約半分完了しました。
平成23年9月26日 調査区の全面清掃と写真撮影
発掘調査開始当初から作業を続けてきた最初の調査区の全景写真を撮影しました。
1-1調査区全景(手前の黒い部分は沢を埋め戻した跡です)
撮影前には、調査区全体を削ってフレッシュな面を出していきます。
この作業を朝から始めて、お昼前にようやく完了しました。
写真撮影も無事終了。
平成23年9月22日 2つめの調査区を完了
先週から手をつけていた2つめの調査区の表土掘削を完了しました。
遺構は確認できません。
40m隣の調査区では100点くらい出土していた遺物が、こちらでは全然出土しませんでした。
いくつかやらなければならないところが残っていますが、とりあえずクリヤ。
来週からは3つめの調査区にかかります。
茅がおいしげっているので、大変そうです。
平成23年9月20日 発掘調査の現実
発掘調査がテレビなどで放送される場合、それは、超重要な遺構や遺物が出土している場合がほとんどです。
なので、発掘調査というと、ハケや竹べらで気の遠くなるような時間をかけて地表面をなでているようなイメージがありますが、現実は全然違います。
発掘調査風景動画
館城にあるのは、ロマンでも緻密な作業でもなく、ひたすら目の前の粘土や笹根と格闘する現実です。
ともあれ、今日は久しぶりにいいお天気の中、気持ちよく発掘することができました。
平成23年9月16日 沢の斜面から遺物が
近代の農地造成で埋められたと考えられる沢の斜面を掘削しているとぱらぱらと遺物が出土します。
もしかして、館城時代に沢の斜面に廃棄したものかも・・・と思いましたが、一緒にガラス瓶も出てきていました。
中央には焼土もあって、落城後の火事場整理の可能性もちらりと頭をよぎりましたが、ガラス瓶はおそらく大正末から昭和初期のもの。
この沢に遺物が捨てられたのは、どうやら館城時代ではないようです。
残念でした。
平成23年9月12日 ブルーシートの隙間から掘ってみる
本日も雨がちなお天気。
調査区全面に敷き詰めたブルーシートをちょっとだけめくって、発掘調査。
ブルーシートを敷いていると、少しの雨でも雨音がものすごく大きく聞こえてしまいます。
気分もブルーになれる、ブルーシート。
ところで、週末に館城に訪れてくださったお客様のブログを発見しました。
「館城跡のお散歩」<外部リンク>
愛犬を連れて、来訪してくださいました。
広々とした館城は(12万平方メートル)、都会の方には素敵なドッグランかもしれません。
愛犬家の方はぜひどうぞ。
平成23年9月9日 ブルーシート作戦
先日、せっかく水抜きしたところを集中豪雨で水浸しにされてしまったので、10m四方のブルーシートを大量購入して、現場に敷き詰めました。
市販の一番大きいブルーシートは意外にお高く、ドキドキしました。
掘削するところだけブルーシートをはがしておいて、雨が降ってきたら、さっとシートをかける。
これで、雨も怖くないですよ。
平成23年9月8日 へとへとです
久しぶりに雨に当たらずに作業できました。
これまでの遅れを取り戻そうとフルタイムで働いたので、今日はもうへとへとです。
意外に厚い表土にてこずりました。
今週は明日でおしまい、もうちょっとがんばりましょう。
今日はお客さんの多い一日。
駒澤大学人文科学研究科の小泉雅弘先生の研究室の方々が現場を尋ねてくれました。
セミプロの学生さん相手の解説は緊張します。
平成23年9月7日 せっせと水抜き
昨夜の豪雨で現場内にはいくつも水たまりができていました。
水はけの良い場所なので、掘削にはそれほど支障がないのですが、水たまりの上を何度も歩くとぐちゃぐちゃのドロドロになってしまうので、そうなる前にスポンジで水抜き作業をしました。
40分ほどかかってようやく水抜き作業が終わった頃、急に空が暗くなって、激しい雨が降ってきました。
せっかくの作業が台無しです。
平成23年9月6日 何かがみえてきたけど、遺構かな?
昨日は雨のためほとんど作業ができませんでした。
今日も、雨で作業がたびたび中断しましたが、午後は日がさしてきました。
やっぱり秋の天気です。
思ったより厚かった表土にあせりながら作業をしていると、なにやら半円形の落ち込みがみえてきました。
写真右側は沢になっているので、沢筋の痕跡かと思っていましたが、なんとなく人工的な雰囲気も。
よくみると、遺物(赤い箸)もこの部分に集中しているようです。
怪しい!!
でも、一体何だろう?
平成23年9月2日 台風が近づいてきた
9月に入りました。
発掘調査も序盤を終了していよいよ中盤戦です。
今のところ、遺物はそれなりに出土していますが、遺構の発見はありません。
台風の影響で、午前中からはっきりしない天気でしたが、午後からは本降りとなり外作業は中断となりました。
あまり大雨になると、来週からの作業に影響が出ますが、こればかりは人間の力ではどうにもなりません。
1-1調査区と名付けた最初の調査区の表土掘削がまもなく完了。
順調にいけば来週上旬には遺構確認作業に入れそうです。