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平成23年の発掘調査(10月の調査)
平成23年10月28日 堀再発見!!
10月26日の記事で、「消えてしまった」と報告した堀と柵がみつかりました。
ダメ元で道路側溝反対側の斜面を掘削したところ、行方不明の堀と柵が無事に検出されました。
こちらが、堀。
逆台形の掘込みが断面に現れているのがわかるでしょうか?
柵も見つかりました。
途切れているように見えた堀と柵は、東側へ向かってのびて行っているようです。
これ以上の掘削は、国の許可が必要なので、今年の調査はここまでですが、来年度に向けて楽しみができました。
平成23年10月27日 腹ばいで発掘?
最近の発掘調査では、「トータルステーション」と呼ばれる測量器械で図面を作成することも増えてきました。
この手の器械は、レーザーを飛ばして距離を測るのですが、機械とターゲットの間にヒトやモノがあると計測できません。
そのような場合は、邪魔なモノや作業中の人にちょっとよけてもらって、すばやく測量します。
が、作業も測量も同時進行したい、と欲張ると上の写真のようなおかしな作業風景ができあがります。
レーザーの邪魔にならないように身をかわしているうちに腹ばいになってしまった、という状況なのでした。
平成23年10月26日 堀が消えてしまった・・・
10月21日の記事でご紹介した堀かも?な遺構は、調査区外の東側へのびている、と考えていました。
「調査区外の部分は来年の調査で確認しよう」と考えていたのですが、断面確認のために、道路法面を裁ち落としたところ、断面に堀が出てきていません。
画面の右側に見えるのが堀なのですが、わかるでしょうか?
どうやら、断面の手前で途切れているようです。
さて、困りました。
堀はどこへ行ってしまったのでしょうか?
平成23年10月24日 堀・柵と判断してもよいでしょう
南側の調査区を全面的に清掃しました。
左側の灰色っぽい土が帯状にのびているように見えるのが堀、右側の少し細くて、オレンジ色をしているのが、柵列と考えています。
道路の排水や側溝などが堀や柵と同じ方向にのびているのでわかりにくいのですが、堀や柵は道路と少し方向が違います。
堀や柵ののびる方角が真北です。
昔の人の方が律儀に方位を守っているようです。
平成23年10月21日 堀?
町道の撤去工事も完了して、いよいよ発掘調査の開始です。
町道敷地内で堀と柵を探します。
調査区の残土を取り除いて、きれいにしてみると、何か溝状の遺構がみえてきました。
画面手前から奥へ向かってのびる黒いラインです。
あれ?でも方向が違う。
予想では、堀は南から北へのびるはずなのです。
画面では右から左にのびていなければならないのですが・・・
どこかで屈曲しているのかもしれません。
いずれにせよ、この溝状の遺構が堀かどうかを確かめなければなりません。
平成23年10月19日 第2ラウンド開始!!
本日より、町道上館城ノ岱線の撤去工事を開始しました。
館城跡西側の堀は、町道上館城ノ岱線の下にのびていることが、平成22年度の調査で判明していました。
周辺農地の収穫作業が一段落した10月下旬以降を狙って、町道を撤去して調査を行います。
西側の堀が果たしてどのようにのびているのか、いよいよ結論が出ます。
平成23年10月18日 痛恨のミス
先日撮影した写真がかなりの高確率で露出ミスをしたと断定。
本日、調査区の清掃と再撮影を行いました。
午前中のほとんどが、再清掃に費やされ、ようやく写真撮影
写真の露出ミスは、ものすごくちょっとした勘違いで起きてしまうのですが、その結果は、「作業員さんの日当の約半分×7人」という、現実の経済的な損失として現れてしまいます。
調査も終盤になって、ミスのできない状況でやらかしてしまったのでした。
平成23年10月17日 全てを台無しにする豪雨
天気が悪そうだったので、図化・測量作業はやめて、全力で埋め戻し作業。
雷雨のため3度ほど現場を中断しました。
気温が下がってきているので、いったん濡れた土は簡単には乾きません。
発掘には厳しい季節がやってきました。
平成23年10月14日 第1ラウンドの調査も大詰め
最後の調査区の掘削も完了し、本日は、図化・測量作業に入りました。
調査区の形状を計測しています。
再来週からは、館城跡西側の町道下にあるはずの堀と柵を検出する第2ラウンドの調査に着手します。
平成23年10月13日 低湿地を検出
最後に着手した西側の調査区では、客土の下から低湿地の痕跡を確認しました。
このあたりは、もともと沼のような湿地帯だったと考えられ、その後、農地造成のために埋め立てられたものと考えられます。
客土を除去した下から、黒土で覆われた沼の跡が出てきました。
平成23年10月12日 法面工事をがんばってみました
最初に掘削した調査区の埋め戻しを行っています。
埋め戻しもなかなか技術が必要で、館城では場所によっては、はがした表土の植生を芝生のようにまた元の場所に戻して景観の復旧を早める工夫などをしています。
今年の調査区の場合はそれほど神経質になる必要はなかったのですが、法面(斜面)の仕上げはがんばってみました。
まっすぐすぎて、かえって不自然かも、です。
平成23年10月7日 水抜き作業
昨夜の大雨で、せっかく掘ったトレンチに水がたまってしまいました。
スポンジで水を吸って絞ります。
地味な作業ですが、かなりの量の水でもこの方法で調査区外に排出することができます。
さすがに、今日は現場がぐちゃぐちゃになってしまったので、この調査区の調査はあきらめて、別の調査区の埋め戻し作業を開始しました。
平成23年10月6日 ようやく遺構面がみえてきた
着手からすでに2週間を経過した1-3調査区。
固い整地層に阻まれて遺構面が確認できずにいましたが、ようやく、幅1mのトレンチの下で遺構面を確認することができました。
平成23年10月5日 先生が発掘調査のお手伝い!!
初任者研修の一環として、厚沢部町内の小中学校の新任の先生方が発掘調査のお手伝いに来てくれました。
発掘調査といえば、ハケや竹べらを使って慎重に地面を掘っている姿がイメージされますが、現実の調査では、9割方土木作業になります。
イメージと違う、発掘調査にとまどいながら、3人の先生は一生懸命スコップで表土を掘削したり、一輪車で土を運んだりしていました。
平成23年10月3日 固い整地層と格闘中
先週から本格的に調査を開始した1-3調査区。
農地造成した痕跡なのか、ものすごく固い整地層が行く手を阻んでいます。
本日、ようやく整地層を突破して地山を検出することに成功しました。
今週いっぱいは、この固い整地層との戦いが続きます。