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現在の発掘調査区は、殿様や上級家臣が滞在する館城でももっとも格の高い場所と推定されています。まず、調査区の一部を細長く掘削し、全体の様子を把握することにしました。
写真中央の石の近くに黄色い土が見えてきました。これは自然の堆積ではなく人間がよそから土を運び敷きならしたものです。今の段階でははっきりしたことはわかりませんが、整地層、いわゆる三和土(たたき)*1ではないかと考えています。これは、御殿の建築に先立ち、地面を平らにし、固く突き固めた可能性が考えられます。
*1 三和土(たたき)とは石灰や赤土、砂利にアルカリ(灰など)を混ぜて叩き締めた土間のことです。館城で検出された整地層の工法はまだわかっていませんが、現時点では「三和土(たたき)」と呼称しています。