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令和8年度町政執行方針

ページID:0010356 更新日:2026年3月6日更新 印刷ページ表示

執行方針演説

令和8年度 厚沢部町町政執行方針(全文)

 令和8年第1回厚沢部町議会定例会の開会にあたり、町政執行への所信を申し上げます。

 今年は町政の舵取りを担わせていただき4年目を迎えます。任期の最終年度となりますが、町政における課題は依然として山積しております。長年の懸案事項や新たな行政課題にしっかりと対応し、引き続き町民の皆様が希望を持ち、真に幸せを実感できるまちづくりに全力で取り組んでまいる所存です。
​ 昨年を振り返りますと、全国的にクマによる被害が 相次いだ一年でありました。道南地域でもヒグマの市街地出没が多発し、福島町では7月にヒグマに襲われた男性が亡くなるという痛ましい事故が発生しました。このような状況を受けて、新たに「緊急銃猟制度」が始まりましたが、これからも地元猟友会や警察と密接に連携し、安全対策と被害防止に取り組んでまいります。
 また、昨年8月には大雨による土砂災害、河川の氾濫、農地への土砂流入など甚大な被害に見舞われました。年度内に復旧が完了しない箇所については、予算を次年度に繰り越して、一日も早い復旧を目指してまいります。
 さて、国政においては、2月に執行された衆議院議員総選挙を経て、18日に召集された特別国会で、高市自民党総裁が内閣総理大臣に選出され、第2次高市内閣が発足、物価対策等をはじめとする経済対策が進められております。臨時国会で成立した補正予算には、各自治体が地域の実情に応じて活用できる「重点支援地方交付金」が予算措置されました。本町では昨年末速やかに予算化し、町内限定の商品券「地域応援券」の配布や、福祉灯油の増額、水道基本料金の減免等、町民の皆様への迅速な支援につながるよう取り進めてまいりました。

 さて、令和8年度の国の一般会計予算案は、総額で122兆3千億円となり、過去最大であった昨年の115兆2千億円を超えるものとなりました。 解散総選挙で例年より1箇月遅れの国会提出でありますが、高市総理は今年度内の予算成立を目指す考えを示しております。国民生活や地方自治体の財政運営に支障が生じないよう、一日も早い新年度予算の成立に期待しているところです。
 増え続ける社会保障費は、高齢化の影響や少子化対策の強化などで過去最大の39兆500億円にのぼっております。一方、新規国債の発行額は29兆5千840億円で前年に比べ3.3%の増額となりますが、税収が伸びることで基礎的財政収支(プライマリーバランス)は28年ぶりの黒字化を見込んでおり、高市総理が掲げる「責任ある積極財政」を反映した予算となっております。
 物価高騰が続く中、食料品の消費税を2年間ゼロにする案が「社会保障制度に関する国民会議」で議論される見込みですが、いずれにしろ、物価上昇を上回る実質賃金の改善や社会保険料負担の軽減等により、国民の手取りを増やし、国民が真の豊かさを実感できる政策の実現が期待されるところです。
 また、地方財政計画においては、例年本町歳入の半分を占める地方交付税が出口ベースで前年対比1兆2千274億円、6.5%の増となっておりますが、本町においては、人件費の増加、水道設備等のライフラインの更新や大型事業実施に伴う起債の償還、施設管理費等の経常経費の増加により、町の財政も年々厳しくなることが予測されます。

 今後とも本町の行財政運営については、国・北海道の動向を注視しながら、積極的に支援策等を十分活用して、効率的で公平な行政サービスを提供し、財政の円滑な運営に努めてまいります。

 多くの先人達が、不断の努力で築いてこられた「ふるさと厚沢部町」は、豊かな農産物、美しい自然、多才な人材など、あらゆる分野で高い潜在能力を有しております。次の時代に健全なかたちで引き継いでいくため、これまでの行政経験を生かし、職員と一丸となってともに知恵を絞り汗を流してまいります。


1.少子高齢化・人口減少への対応について

(1)少子化対策の推進について

 人口減少は、労働力不足や地域内消費の縮小を招き、地域経済の衰退や空き家・空き店舗の増加、さらにはコミュニティ機能の低下を引き起こし、地域全体の活力の低下に繋がることから、まずはしっかりと、子育て世帯に対する支援を充実させることに注力してまいります。 
 令和5年度から実施しております、認定こども園の完全無償化、小・中学校給食費の無償化、高校生への通学定期代金助成を継続し、保護者の経済的負担軽減を図ります。
 また、令和6年度から大幅に拡充した奨学資金制度についても継続してまいります。
 保育園留学については、増加傾向にある海外からの利用者受入体制を強化するとともに、保育園留学から移住につながる施策を引き続き継続してまいります。
 ハードルが高い、いわゆる“完全な移住”だけではなく、国内外の子育て世帯が一定期間滞在、若しくは季節的な居住を含む「やわらかな定住・二地域居住」といった多様で柔軟な暮らし方や移住スタイルを提案し、厚沢部町ならではの特徴を生かしつつ、「保育園留学」をさらに発展させてまいります。

(2)高齢者・障がい者への対策について

 高齢者・障がい者対策につきましては、現在、本町における65歳以上の高齢化率は45%を超え、増加の一途をたどっております。
 このような状況の中、ひとり暮らしの高齢者世帯や高齢者夫婦世帯が増えております。
 そのため在宅福祉に重点を置き、各地域での「サロン活動」や、ボランティア活動、社会福祉協議会の運営を支援するなど、自助、共助、公助のバランスに考慮しながら、町独自の高齢者生活支援事業を拡充し、安心な暮らしを支えてまいります。
 また、心身の発達面で個別支援を必要とするこどもへの支援として発達支援センターの充実にも努めます。

(3)交通弱者への対策について

 交通弱者対策につきましては、高齢化や人口減少に伴い、これまでの一般的なバス運行に代わり、身近な移動手段として、持続可能な交通ネットワークの構築をしたところですが、高齢者の通院や外出支援を支える交通空白地有償運送や高校通学用乗合バス運行を引き続き行ってまいります。

(4)定住促進の対策について

 定住促進対策につきましては、持家建設奨励金の拡充、中古住宅購入及びリフォーム費用の助成、誕生祝金の増額などを行っておりますが、本事業の総合的な周知・広報活動にも力を入れてまいります。また、公営住宅等長寿命化計画に基づいて、高見団地の建て替えも計画的に行っていきます。さらには、新たに空き家改修による賃貸物件整備支援事業の導入や道営住宅の早期着工、完成を目指してまいります。

2.力強い農業・林業・商工業を築くための対策について

(1)農業について

 厚沢部町の発展を支えるのは、農業・林産業であり、これまでも積極的に様々な施策を展開し、振興に努めてまいりました。
 昨年のJA新函館厚沢部支店の販売額は、約30億1千200万円との報告を受けております。前年同期比で1億6千500万円ほど増加となったことは喜ばしい限りですが、この販売額を大きく押し上げた要因はコメを中心とした価格高騰によるものであります。しかし、多くの作物が高温障害による品質低下や収穫量減少に見舞われました。
 夏場の高温対策や燃料価格、農業資機材価格の高騰が続いており、これらが農家経営を圧迫している要因であります。さらに、労働力の減少が進む中で持続可能な農業生産を実現するため、スマート農業機械など経営継続に必要な機械や設備の導入支援も引き続き行ってまいります。
 
 昨年は、あっさぶメークイン100周年を記念し、メークインポテトチップスが製造・販売され高い評価を得ました。当町農業の根幹であるメークインの作付けを確保し、その伝統を守り続けるために様々な方策を検討し、PR活動も実施してまいります。
 
 新規就農者や後継者の支援につきましては、担い手協議会等関係機関による相談体制の充実や、国の助成制度を活用して新たな担い手が円滑に就農できるよう支援してまいります。
 
 近年の地球温暖化等に伴う気象変動で発生する高温や集中豪雨などによるリスクを軽減するためには、 基本技術の励行に加え、明・暗渠排水整備や堆肥投入などの基盤整備が重要であると認識しております。これまでも暗渠排水など透排水性改善支援に取り組んできましたが、今後も町単独の小規模土地基盤整備事業の実施により、優良農地の維持、確保に努めてまいります。

 中山間地域等直接支払交付金、多面的機能支払交付金等の補助を継続して実施するとともに、町単独事業として農業共済掛金助成や地力増進対策事業費補助、及び農道整備事業費補助なども継続しながら、農業経営の安定化を図ってまいります。

 これまでの「水田活用の直接支払交付金」は令和8年度までの対策であり、令和9年度以降は作物ごとの生産性向上等への支援にシフトするといった方向性が示されております。農業経営に大きく関わる制度変更でありますので、多方面から情報収集を行い、必要に応じて要請活動も進めてまいります。

 また、ヒグマやエゾシカなどによる鳥獣被害対策については、電気牧柵購入費への助成に加え、町が所有する電気牧柵の利用促進を図るとともに、高齢化に伴い減少しているハンターの確保策として狩猟免許取得・更新に対する支援を行うほか、地域おこし協力隊制度を活用して外部人材の確保にも取り組んでまいります。一方で、「自らの農地は自ら守る」という自己防衛意識を高めていくことも重要だと考えております。

(2)林業・林産業について

  豊かな自然環境の中にあって、町の約8割を占める森林は、地球温暖化防止対策の推進をはじめ、安全な国土の形成、水源かん養、保健休養などの多面的機能を有しているほか、産業として貴重な資源であります。
 町有林管理については、除間伐や枝打ち、下刈りなどの適切な撫育管理や森林基盤整備等を推進し、森林機能の維持に努めます。
 民有林については、循環利用や集約化を進め、「豊かな森づくり推進事業」や除間伐、枝打ち、下刈り事業への支援を通じて地域林業の振興を図ってまいります。

 また、林産業については、林産協同組合の活動支援や地域材の積極的PRに取り組みます。地場産材の利活用の促進とともに、林業者だけではなく林産業全体の安定経営に努めてまいります。

 さらに森林環境譲与税基金事業として、民有林の下刈りや除間伐事業への助成も行い、その森林機能が維持できるよう支援を行います。

(3)商工業・観光業について

 商工業については、人口減少やインターネットを利用した商品購入が地元での消費減退を招いており、また、高齢化の進行に伴い、買物弱者の増加も懸念されているところです。
 このような実情を踏まえ、引き続き商工団体の育成と中小企業の経営安定を継続支援するとともに、商工会と連携し、新たに「商工業者支援事業補助金」を創設して新規開業や事業拡大、販路開拓、人材確保に向けた取り組みを積極的に後押ししてまいります。

 観光については、客室等の改修工事を行ったうずら温泉のさらなる経営改善支援に努めるとともに、老朽化した浴場の改修や照明のLED化工事を実施します。昨年から着手しております道の駅物産館の建設工事も引き続き進めてまいります。今年10月にはリニューアルオープンイベントを開催し、新しい道の駅物産館を前面に打ち出したPR活動を展開します。令和4年度に整備した商業施設とともに町の魅力発信基地として町民の皆様に愛される道の駅づくりに取り組んでまいります。

 また、「アウトキャンパス」や「ちょっと暮らし」事業の継続的な展開で、交流人口・関係人口の拡大を図るほか、素敵な過疎のまち推進事業により、厚沢部町の応援団員の獲得拡大に努めてまいります。

 さらに、観光協会への育成支援や各種イベントへの助成も拡充してまいります。

3.くらしの安全・安心なまちづくりについて

(1)健康診断受診率の向上について

 本町では、がん等の病気を早期に発見し、重症化リスクを軽減することを目的として、町が実施する総合健診や各種個別検診を令和6年度から全て完全無償化しています。検診等の受診率は徐々に向上しており、病気の早期発見につながった事例も耳にしております。
 本施策は今後も継続してまいりますので、町民の皆様には是非、健診等を受けていただき、疾病の早期発見と早期治療によって健康の維持・増進に繋げていただきたいと考えております。

(2)地域の安全・安心について

 3月末をもって長年地域の安全・安心を支えてきた江差警察署館駐在所が厚沢部駐在所に統合されることとなります。影響を最小限に抑えるため、防犯カメラの増設を行うとともに、解体予定であった館駐在所を町が買い取り、「警察官立寄所」として活用することで地域の安全・安心を守る施設となるよう引き続き、道警と協議してまいります。

(3)災害に強い町づくりについて

 災害に強い町づくりでは、災害緊急情報などを町民の皆様に迅速かつ確実に一斉伝達する「防災情報配信システム」を4月から運用開始します。スマートフォンへの迅速な情報提供に加え、スマートフォンをお持ちでない方には戸別受信機を無償貸与し、情報伝達体制を強化いたします。
 また、昨年は消防署館分遣所の水槽付きポンプ自動車を最新車両に更新しており、今年は3地区の小型ポンプ付き積載車を更新してまいります。今後も防災体制の一層の強化を図り、安全で安心して暮らせるまちづくりに尽力してまいります。

(4)再生可能エネルギーの導入促進について

 新エネルギーの導入促進につきましては、役場内に新たに脱炭素政策専門係を設置し、地域新電力会社「ハチャム」とともに体制整備を図ってまいりました。
 今後は、国の脱炭素先行地域事業を活用しつつ、風力や太陽光を中心とした再生可能エネルギーの導入を促進し、エネルギーの地域内消費を進めて地域循環型社会の形成に努めてまいります。

(5)国保病院について

 国保病院は、命を守り暮らしに安心感を与える地域医療や救急医療拠点として、極めて重要な役割があります。
 しかし、その経営環境は物価高や人件費高騰などにより極めて厳しい状況にあります。地域連携法人「南檜山メディカルネットワーク」を通じた圏域内における業務連携の強化に努め、安定した地域医療提供体制の維持に取り組んでまいります。

 過疎地では、医師や医療技術員の不足が深刻化しておりますが、これからも良質な医療の提供や経営の改善などに引き続き注力し、町民の期待に応えられる町立病院を目指してまいります。

 また、函館市との定住自立圏協定で掲げているドクターヘリの運航や脳疾患患者の搬送経費も継続して支援し、広域的な緊急医療体制の充実に努めます。

4.健全な行財政運営について 

(1)予算の効率化・重点化による計画的な財政運営について

 予算の効率化・重点化による計画的な財政運営については、本町の財政はこれまでの行財政改革によって、健全な財政運営を維持しておりますが、町税等の自主財源が乏しいため、歳入の過半を占める地方交付税の動向次第では、非常に厳しい状況に陥る可能性があります。
 これまで積み残されていた公共施設の老朽化対策に加え、各学校やこども園、病院等の冷房設備の整備、運動施設や設備の更新等については、必要な投資を進めてまいりました。その結果として、基金の減少や町債の増加が一定程度見込まれますが、今この時期に対処しなければ、将来的により大きな財政負担を背負うことになるという認識のもと、計画的に取り組んでまいります。
 限られた財源を最大限活用するためには創意工夫と柔軟な発想が不可欠です。事務事業を検証し、効率的な施策展開と質の高い行政サービスを提供するため、職員一人ひとりの能力向上にも引き続き取り組んでまいります。

(2)情報公開による透明性の確保について

 情報公開による透明性の確保については、これまでどおり、厚沢部町情報公開条例に基づき、町政の透明性の確保に努めます。

教育行政について

 教育・文化活動の振興を図り、快適で活気ある「心豊かな人を育むまちづくり」を目指すことが、町政執行の重要な課題であり、「まちづくりの究極は人づくりにある」と考えております。

 少子化が進行する中で、日本の未来を支える「たくましい人材」を育成するためには、人間形成の基礎を養う学校教育の果たす役割は極めて大切です。子どもたちが、安全でより良い教育環境の中で学び 育つために、学校施設や教育振興備品の整備を進めるとともに、学力の向上や健全な心と体を育成する教育施策の充実を図ってまいります。

 義務教育学校の整備に関しては、これまで慎重に検討を重ねてまいりましたが、地域の教育環境の改善と効率性を重視しながら、整備の実現に向けてより具体的な検討段階へと進めてまいります。

 社会教育では、少子高齢化や高度情報化、経済のグローバル化など社会生活の変化に伴い、ライフスタイルや価値観が多様化する中、生涯を通じて、教育・文化・スポーツ活動などの機会提供が求められております。町内関係団体と連携しながら社会教育環境の整備と施策の充実を図ってまいります。

 教育行政の詳細につきましては、教育長から方針が示されますが、教育委員会とともに学校や社会での教育活動が望ましい環境の中で展開されるよう、計画的かつ積極的に教育活動の充実に取り組んでまいります。


 以上、私の町政執行に対する所信と施策の一端を申し上げました。

 本町は、明治9年(1876年)5月に戸長役場が設置されて以来、本年で150周年という歴史的な節目を迎えます。これまで厚沢部町の発展に寄与されてきたすべての方々に心から敬意を表し、深く感謝を申し上げます。150周年記念事業を通じ、町民の皆様と共にお祝いをし、喜びを分かち合いたいと考えております。

 さらに、友好交流協定を締結している台湾・寿豊郷から訪問団が来町する予定であります。寿豊郷との交流は産業の活性化のみならず文化交流や人材育成などにも寄与し、両町のさらなる発展につながるものと確信しております。訪問団が来町する際には、町をあげて心より歓迎してまいります。

 これからも町民の皆様との対話を大切にし、期待と信頼に応えるべく誠心誠意努力し、課題解決に向けて邁進する所存でありますので、議会並びに町民の皆様には、より一層のご理解とご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。